JICHOUJIAI

「ゆらぎ世代」を「自重自愛」で乗り切る40代主婦のブログ

作家「中島要」苦手意識のあった時代小説の面白さを私に教えてくれた

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過去の時代を題材として書かれた時代小説。中島要さんの丁寧な情景・心理描写は、その時代を知らない私でもすっと入り込めました。

漢字や言葉回しが難しく、「読み慣れていないと難しいのでは?」と敬遠していた「時代小説」でしたが 、中島要さんの作品に出会い私の中の「時代小説」のイメージが一新しました。

みなさんにはこんな経験ありませんか?読めども、読めどもいっこうに頭に入ってこない本。難しい参考書とかではなく、作家さんによって小説などでも私はあります。きっと肌に合わない・性に合わないのだと思うんですよね。

でも中島要さんの本は、苦手意識があった時代小説なのに夢中になって読み、文章が心に沁みてくるんです。ストーリーを考え・時代背景を調べ・人をひきつける文章を書ける才能。続きが気になって仕方ない本に出会えることは幸せです。 

2008年小説宝石新人賞受賞作品収録『ひやかし』

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所詮吉原廓の恋は、金が咲かせる噓の花。金が尽きれば散るのが運命(さだめ)。それを忘れて後悔するのは、客も女郎も同じこと。

万にひとつで真実(まこと)が咲けば、嘘の花より手に負えない。金が尽きても散ることできず、思いあまって駆け落ち心中。

ゆえに「惚れるは女郎の恥」と、女たちはよくよく肝に銘じていた。

引用元:『ひやかし』色男

吉原の遊女と、そこに通う男性の悲喜こもごも。儚く・たくましく生きた女性たちの物語です。(素見)(色男)(泣声)(真贋)(夜明)短編5つを収録。

妖艶な微笑みの裏に隠された心の闇や、一途に愛する人を思う気持ち、一本筋の通った女性たちの話は、せつなくも読んでいて清々しい気持ちになります。

5つの短編の中で、年季が明けたら一緒に暮らそうと誓い合っていた男性を想う、人気の花魁「朝霧」の話(色男)が私は1番好きです。

今の状態から抜け出せるようにしてくれる人が目の前にいるのに、花魁にまで昇りつめながらも「割り切り」「損得勘定」では動かない心を持ち続けていた「朝霧」に、もどかしくなりながらも愛おしさを感じます。

 

「着物始末暦」シリーズ

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私が中島要さんの作品を知ったきっかけの本です。

連作短編で主人公は毎回変わりますが、全ての話に天涯孤独で不愛想だけど、「着物始末屋 」職人としての腕は一流の「余一」が登場します。

着物の汚れ落とし・染み抜き・洗い張り・裏地替え・仕立て直しとともに、「着物始末屋 」余一が人々の悩みやトラブルを見事に解決していく物語。

人に対して不愛想でも、着物には愛情を抱き誠実に向き合う余一。着物にまつわる話から、こんなに奥深く琴線に触れる話が展開されることに驚きながら読み続けました。

物語に登場する着物柄が、巻末付録「柄解説」として載っています。読みながら「どんな柄なんだろう?」と巻末「柄解説」を確認できるのも楽しいです。

不愛想な余一が、着物に思いを込める人たちの気持ちにそっと寄り添い、思いを汲み取り着物の始末をする姿に引き込まれます。

私は読みながら「着物始末屋 」余一を想像すると、俳優 「瑛太」さんのイメージ。「着物始末暦」シリーズがドラマ化されたらいいなと思っています。

 

さいごに

私は書籍・映画も、架空の人物・出来事の「フィクション」より、事実に基づいた話「ノンフィクション」が好き。

でも中島要さんの作品は、読みながらどんどん引き込まれていきました。これからも発表される作品を楽しみにしていきます。  

 

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