JICHOUJIAI

「ゆらぎ世代」を「自重自愛」で乗り切る40代主婦のブログ

林真理子「アッコちゃんの時代」バブル時代を享受した女性の実話

f:id:ruilog2732:20170504110611j:plain

主人公は仮名になっていますが実在する人物です。日本が不動産の高騰、株価の上昇などでバブル景気の時代「魔性の女」とマスコミから騒がれた女子大生。

当時のテレビ・雑誌の報道・関係者の書いた本を読んだことがあったけど「アッコちゃん」が語るのを私は一度も目にしたことがありませんでした。

発売直後に購入し読んでみると、私がイメージしていた女性とはまったく違っていて驚いたのを覚えています。あれから10年以上たち、もう一度読んでみました。

良いとか悪いとか作家 林真理子さんの個人的な見解は入れず、この本は「アッコちゃんから見た真実」「アッコちゃんの生きざま」が赤裸々に書かれています。

林真理子「アッコちゃんの時代」

バブル時代を享受した美貌の女子大生の話

f:id:ruilog2732:20170504104050j:plain

2005年 新潮社から発売された「アッコちゃんの時代」

作家 林真理子さんが本人に会い取材して「アッコちゃん」の視点から書かれています。登場人物の多くは仮名だけど当時の報道を知る人は誰のことかすぐわかると思うんですよね。

バブル時代の流行語・店名・社会現象・ブランド名もいろいろでてきて懐かしい気持ちになります。

でも、「アッコちゃん」の生きざまが凄すぎてそれどころではなくなっていくんです。

金と力のある男の欲望を受け止めてやるのは、若く美しい女の義務なのだ。私はそれに忠実だっただけ――。

「地上げの帝王」と呼ばれた不動産会社社長の愛人を経て、女優を妻に持つ有名レストランの御曹司を虜にし、狂乱のバブル期の伝説となった女性、アッコ。

彼女は本当に「魔性の女」だったのか。時代を大胆に謳歌し、また時代に翻弄された女性を描く、煌びやかで蠱惑的な恋愛長編。

 

引用元:林真理子 『アッコちゃんの時代』 | 新潮社

 

 

主人公「アッコちゃん」

若く美しいことでバブルの時代に利益や享楽を得ていた女子大生。「アッコ」と呼ばれ夜の街で有名。

当時の報道を見ていて若くして波乱万丈・あまりにも自由奔放で、あっけにとられる感じでした。

「アッコちゃん」は当時モデル事務所にも所属し、報道が出た時フィルムメーカーのポスターモデルをしていたんです。

家の近所のカメラ屋さんの店頭にも貼ってあって、「この人なんだ・・・」と袴姿のポスターを見たのを覚えています。

10代だった私がイメージする「魔性の女」とは全然イメージが違っていました。

妖艶な感じではなく「学校で目立つグループにいるキレイな子」という感じで意外だったんです。

 

f:id:ruilog2732:20170507154543j:plain

 

「アッコちゃん」と「地上げの帝王」の出会い

出会いは「地上げの帝王」の内縁の妻だった、銀座のママの娘の後輩だったこと。

この銀座のママが書いた、安達洋子「冬の花火ー地上げ屋の帝王早坂太吉との二千日」も当時読みました。(地上げの帝王と別れた後に 750億円!の慰謝料請求訴訟を起こしています)

そこで書かれていた「アッコちゃん」は、男性に取り入るのが上手くて、地上げの帝王に内縁の妻の前でもおかまいなしに甘える姿。

家族旅行にまで連れていく仲だったのに平気で裏切る「アッコちゃん」の冷酷さが書いてありました。

次々とお金持ちの年の離れた男性と付き合う「魔性の女」と報道されていたこともあって、「すべて計算ずくの甘え上手な美貌の女子大生」というイメージを私はもっていたんです。

でも、「アッコちゃん」視点から書かれている「アッコちゃんの時代」では、イメージとまったく違う人なんですよ。

屈託なくて破天荒!損得勘定より楽しそう面白そうを優先してきた女性。計算なしにたまたま出会ったのが、お金持ちで有名な男性だっただけ。

好意を図々しいまでに寄せてきて面白くなってきたから付き合っただけという感じなんです。

地上げの帝王と親密な付き合いが始まる時・執着され嫌になるなっていく様子・別れの時など「アッコちゃんから見た真実」が書かれています。

 

夜遊びや、他の男とのつき合いや、楽しいことすべて犠牲にするほど、目の前の男を愛しているわけではない。

男からたくさんのものを貰っているわけでもない。男が与えてくれたものは、わずかな宝石と、自分勝手な愛情だけだったではないか。

本当に自分は損をしている。何度でも言いたい。私は損をしている。貧乏籤をひいたんだ。

 

引用元:「アッコちゃんの時代」

 

その後の「アッコちゃん」

有名女優の妻がいる、有名レストランの御曹司で大物プロデューサーの男性と付き合い始めます。そして身ごもり、写真週刊誌に撮られたことで夫婦となりました。

この男性にとって4回目の結婚。写真週刊誌がでたとき、女優の妻がとても冷静に淡々とマスコミ対応をしてる姿に私は驚いたんです。

でも本には、報道されるずっと前に「アッコちゃん」に対して「あなたいったい何を考えてるの!」と怒りをあらわに叫ぶ場面がでてきます。

マスコミ対応での冷静さは、激情を乗り越えたものだったんだと読みながら感慨深いものがありました。

アッコちゃんは、無邪気・無自覚・無反省な女性だと読みながら腹がたってきます。

人や物に執着もしないし、感情的になることもほとんどない。悪気がないだけに厄介だけど意地悪な人間ではない。

アッコちゃんの波乱万丈な生き方はこれで落ち着くわけではありません。続きは是非本を読んでみてください。想像の上をいきますよ。 

 

アッコちゃんの時代 (新潮文庫)

さいごに

誰の視点で書かれているかによって同じ話も全然違うものに見えてきます。

共感はまったくできない女性・生き方だけど、私は昔から「明子」という女性「好きじゃないけど嫌いじゃない」です。

スポンサーリンク